低回転からのトルクの向上とブーストの立ち上がり、大容量サージタンクとの組み合わせによるパワーアップ、
将来的なステップアップにも完全対応するランエボX 4B11専用カムシャフトです。
取り付けの際にはエンジンの分解作業を伴なわず、作業容易性にも優れています。 |
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●ブリッツカムシャフトは純正バルブスプリングに対応できる最適なリフト量・プロフィールで設計しています。
この設計の最大のメリットは、交換に伴う作業工数及び必要部品の簡素化にあります。
純正のバルブスプリング対応とする事でシリンダーヘッドASSYを分解する必要がなく、車上での交換作業が可能となります。
これにより作業工賃を含めたコストパフォーマンスを実現しています。 |
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●ハイリフト化・作用角の増大によりカムを交換するだけで吸入効率が大幅にアップします。
同時にブーストの立ち上がりが早くなり、最大トルクも向上します。 |
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●CZ4Aを使用した「DUNLOP STAR SPEC PROJECT」でも実践投入・テストされ、排気量アップや
タービン交換といったチューニングを施しても、確かなパフォーマンスを実現することが実証されています。 |
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●サージタンクの大容量化は、ある程度の吸入空気量を超えないとその効果を十分に発揮できません。
カムシャフトを交換する事により、大幅に吸入空気量が増えるため、「BLITZ SURGE TANK」と組み合わせる事により
大容量サージタンクの効果が最大限に発揮され、高回転領域でも大幅なパワーアップが可能です。 |
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250° |
260° |
9.7mm |
10.0mm |
120° |
120° |
Φ34.4 |
Φ34.4 |
- |
純正対応 |
0.20 ±0.03 |
0.20 ±0.03 |
228° |
260° |
8.6mm |
10.0mm |
110° |
110° |
Φ36.4 |
Φ36.4 |
- |
純正対応 |
0.30 ±0.03 |
0.30 ±0.03 |
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■出力特性比較 |
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※データは弊社での測定データですので、車両個体差や仕様・セッティングにより大幅に変動することがあります。 |
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※その他のCZ4A用パーツ一覧は、こちらをご覧ください。 |
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■カムシャフトの基本 |
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カムシャフトは、シリンダーの吸気バルブと排気バルブの開閉を行う、いつくかの山のついた棒状の部品です。
クランクとベルト(チェーン)を介して連結されており、ピストンの上下運動に連動して回転します。 |
カムシャフトのスペックは、「リフト量」と「作用角」で表されます。 「リフト量」とは、カムの「山の部分の高さ」が最大になるまでの距離です。この数値が大きいと、バルブをより多く開けることになります。
「リフト量」の大きいカムのことを「ハイカム」と呼ぶ事もあります。「作用角」とは、カムがバルブを押している時間を表し、「クランクがどれだけ回転している間バルブを押し続けているか」を角度で表現したものです。
右下の図でわかるように、「山が始まる部分から終わる部分までの角度」となります。
実際には、カムが1回転する間にクランクは2回転するため、「作用角」は図で見られる2倍の角度で表されます。この数値が大きいほど、長時間バルブを開いていることになります。
4サイクルエンジンの吸気行程では、ピストンが下がる際の負圧によって混合気を吸い込みます。混合気はピストンが下死点(一番下の状態)に達し、ピストンが上がり始めても空気の「慣性」によって、シリンダー内に流れ込んできます。
特にエンジンが高回転の時は、吸い込まれる混合気も速いスピードで流れ込むため、バルブを開く時間を長くすれば充填効率が高まります。
さらに、ターボ車の場合は過給圧によって相乗効果が生まれ、より多くの混合気が吸い込まれることになります。
その反面、「リフト量」を増大させ過ぎるとバルブの加速度がカムの加速度を上回ってしまい、バルブがカムから離れてしまう「ジャンピング現象」や、バルブがバルブシートリングに着座する際に跳ねてしまう「バウンス現象」が発生してしまう可能性があります。 |
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■バルブタイミングとは? |
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バルブタイミングとは、「ピストンがどの位置に来たときにバルブを開き始め、どの位置に来たときにバルブ閉じるか」のタイミングのことです。
バルブタイミングの調整とは、吸気バルブと排気バルブ、2つの開閉タイミングを調整することを指します。
4サイクルエンジンでは「吸気」、「圧縮」、「燃焼」、「排気」の4つの行程があり、吸気行程では吸気バルブが開いて混合気をシリンダーに充填し、
排気行程では排気バルブが開いて燃焼後の排気ガスを排出します。
それぞれのバルブをいつ開閉するかは、上下運動する「ピストン」がどの位置にいるかで決まります。
このタイミングは、吸気行程を例に取ると「ピストンの上死点(一番上の状態)でバルブを開き、下死点(一番下の状態)で閉じる」と効率が良い
と考えるのが普通です。
しかし、吸い込まれる混合気にも「慣性」があり、バルブが開いてから混合気が入るまでにタイムラグがあります。
そこで、排気ガスが排出される際の勢いを使って、混合気を強制的に吸い込んで充填効率を高めるように設計されます。
これは、排気行程から吸気行程に切り替わる際、ピストンが上死点に来る前に吸気バルブを開き、上死点を過ぎてから排気バルブを閉めることで実現します。
この際、吸気バルブ・排気バルブ共に開いている間の時間を「バルブオーバーラップ」と呼ばれています。
排気ガスが全て抜けきったタイミングで排気バルブを閉じることができれば充填効率は最大になりますが、エンジンの回転数によって
排気ガスが抜けきるタイミングは異なります。
排気側では、低回転の時にタイミングを合わせてしまうと、高回転の時にはタイミングが早すぎて排気ガスが抜け切らず、
充填効率が落ちてパワーダウンにつながります。
吸気側では、「作用角」の項目でも話が出たように空気の「慣性」によってピストンが下死点から上がり始めてもシリンダーに混合気が流れ込んでくるため、
吸気バルブを閉めるタイミングを遅くすることで、充填効率が高まります。しかし、空気の流れが速い高回転側にタイミングを合わせてしまうと、
低回転側では流れが遅いために充填された混合気が吸気バルブより抜けていってしまいます。
バルブタイミングは、どちらか一方の特性に合わせると、その一方が効果を最大限に発揮できないという非常に難しい関係性となっています。 |
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可変バルブタイミング (4B11 MIVECの場合) |
ランサーエボリューションX(CZ4A)に搭載される、「4B11エンジン」には吸気側・排気側ともに「連続可変バルブタイミングシステム」の「MIVEC」が
採用されています。
この「MIVEC」とは、エンジンの運転状態に応じて最適なバルブタイミングに制御をするもので、アイドル安定性の向上や、
全運転領域での出力およびトルクの向上を図ることが可能です。
エンジンECUは、各センサーからの信号によってエンジンの運転状況を把握し、その情報を元に「インレットオイルフィーダーコントロールバルブ」と
「エキゾーストオイルフィーダーコントロールバルブ」にデューティ信号を送り、スプール弁の位置を制御します。
そのスプール弁の位置を変化させることで、油圧を遅角室または進角室に振り分けてインレットカムシャフトおよびエキゾーストカムシャフトの
位相を連続変化させます。
上記のような制御は、コンピューターのセッティングで調整できるため、ブリッツのチューニングコンピューター
「B-EMU」によって最適なバルブタイミングにセッティングをすることで、カムシャフトの効果を最大限に発揮させることが可能となっています。 |
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