BLITZ RACING PROJECT Time Attack BRZ 2014 MOVIE
■REPORT
昨年のタイムアタック後、シーズンオフ中にじっくりと時間をかけて大幅なパワーアップを施し、2013年モデルとして進化したBLITZ RACING PROJECT Time Attack BRZ。
2013年仕様のシェイクダウンとドライバーの佐々木選手にマシンに慣れてもらう意味も含め、テスト走行を実施した。
2013年仕様として、コレクタータンクの大型化や燃料ポンプの追加で、コーナリング中の燃料供給の安定化を実施。
よりダウンフォースを得るために、フロントバンパー下に15cm延長されたカーボン製のアンダーディフューザーとカナードを装着。
ブーストコントローラーは車速によるブースト制御が可能なフラッグシップモデル「SBC i-Color」へ変更。
その他、軽量化のためドライカーボン製ボンネット、フェンダーの導入、内装の撤去等を施しテストに挑んだ。
テスト序盤は、285/30サイズのDIREZZA 03Gでアタック。セッティングを煮詰めながらマシンの状況と問題点をチェック。
佐々木選手は、昨年とのパワーの違いに戸惑いを見せながらも、1'00.861と昨年のシーズンベストタイムをあっさりと更新した。
コーナー立ち上がりのリアのトラクション不足を改善するためリアウイングの角度調整やSBCによるブースト制御、減衰力などを見直しながらデータの収集と問題点の洗い出しを実施。
同時にベストなタイヤサイズを探るため、DIREZZA 03Gの265/35サイズのタイヤへ変更。このサイズ変更がDAMPER ZZ-Rのセットアップとマッチし見事、プロジェクト初となる「筑波1分切り」59.541を達成した。
2013年BLITZ RACING PROJECT Time Attack BRZは更なる進化を遂げ、ベストタイム更新へのチャレンジを続ける。
Driver Profile
佐々木 孝太 / Kouta Sasaki
生年月日 : 1973年1月26日
血液型 : A型
出身地 : 三重県出身
SUPER GT/GT300ドライバーとして、現在はSUBARU BRZをドライブするほか、長年の豊富なレース参戦で数々の戦績を残す。
ブリッツとは2009年、DIREZZA STAR SPEC PROJECTにおいてタッグを組み、「BLITZ DUNLOP LANCER EVO X」をドライブ。 筑波サーキットコース2000 ラジアルタイヤでの1分切りのタイムアタックにチャレンジするも、ミッションブローで無念のリタイアとなり、最終タイムは1'00"052で終了。
2012年、ハイパーミーティング2012内の「スイフト&コルト 5LAPバトル」にて「BLITZ COLT RALLIART VersionR」をドライブし、見事優勝。
そして2012年末、BLITZ Racing Project BRZのタイムアタックドライバーとして再びタッグを組み、DUNLOP DIREZZA ZII = ラジアルタイヤでの1分切りに再び挑む。
出力:570ps/6760rpm
トルク:55.0kg・m/4000rpm
F:倒立式 減衰力32段調整/バネレート 14.0kgf/cm2
R:伸・縮 独立減衰力32段調整 2Wayタイプ/バネレート 12.0kgf/cm2
6POT ローター径:355mm
4POT ローター径:330mm
18inch 10.0JJ inset 33 5H-114.3 (スペーサー30mm)
18inch 10.0JJ inset 33 5H-114.3 (スペーサー25mm)
強化ブッシュ 各部リジット化
■Time Attack BRZ Project 2012 REPORT
「年内最後のアタックとなる、12月27日の走行は2時間のコース占有走行を実施。この2時間で、2012年に進めてきたマシンメイクや改良のすべてを発揮できるよう、1週間という非常に短い期間ではあったが、改良を進めてきた。
特に前回懸念された「息継ぎ」の症状は、純正燃料タンク内での燃料の偏りであると判断し、トランクルームへコレクタータンク化して移設。何度走行を繰り返しても症状は現れず、問題点は改善された。
さらに前回のドアに続き、トランクもカーボン化を実施。燃料のコレクタータンク化と合わせて、さらなる車両重量の減量に成功した。
その他のセッティングは前回をベースとして周回を重ね、見事自身のレコードを更新する1分2秒113がベストタイムとなった。「ラジアル日本最速のBRZ」の称号を守ることとなる(2012年12月27日現在)。
今回はさらに、ダンロップ製のSタイヤ「DIREZZA 03G」265サイズ 4本での走行も実施。将来的にはラジアルでの59秒台への突入を目標とするBLITZ RACING PROJECTとしては、数々のシチュエーションでテストを繰り返す必要があるという判断だ。その結果、1分1秒004というタイムを実現。今後の重要な参考データを取得することもできた。
2012年のアタックはこれで全て終了となりますが、2013年、更なる目標を持って挑むBLITZ RACING PROJECT Time Attack BRZにご期待ください。
前回のアタックから2週間という短期間で、車両のセッティングやパーツ交換を求められることなったが、タイム更新に向けて大幅な改良が進められた。
リアのトラクション不足解消のため、シェイクダウンでは見送られたワイドフェンダー化を施し、フロント 265サイズ、リア 285サイズのDUNLOP DIREZZA ZIIを装着できるように仕様を変更。
さらに車両の軽量化も重要と判断し、両側ドアのフルカーボン化により30kg弱の減量に成功した。
2012年12月21日、この日の走行はBLITZ RACING PROJECT Time Attack BRZが単独で行う占有走行となり、コースコンディションが万全であれば他車の影響を受けないベストな環境でのアタックとなる。
佐々木選手もタイム更新に気合いが入る中、1時間の走行がスタート。2回目の走行ということもあり、前半はセッティングを含めて走行していくが、後半にはラジアルタイヤながら1分2秒台に突入。
最終的に、1分2秒428というベストタイムで走行を終え、この時点で筑波サーキットの86/BRZラジアルタイヤでの「日本最速」を見事樹立することとなった(2012年12月21日現在)。
ただ、燃料切れではないにもかかわらず、「息継ぎ」のような症状が発生するなど、まだ車両側の改善点も残っており、年内に再度アタックを行うことを決定。
BLITZ RACING PROJECT Time Attack BRZが持つタイムをさらに更新することを目標として、この日の走行は終了した。
BLITZ RAICNG PROJECT Time Arrack BRZのアタックは、2012年12月7日 筑波スーパーバトルから始まった。
シェイクダウンも事前に行い、ベストコンディションでアタックに臨む予定だった本大会であったが、ターボ化やそれに伴う各所の補強・交換という高いハードルに阻まれ、プロジェクトメンバーは不眠不休の作業をつづけ、決して万全とは言えない状況で実質シェイクダウンとなってしまった。
当初予定していたワイドフェンダー化を一度見送り、DUNLOP DIREZZA ZIIの255/35/18サイズを4本装着してのシェイクダウンとなる。
ターボ化をしたエンジンに関しては、NAであるBRZのエンジン内部のままでは圧縮比が高すぎるため、同じFA20系のターボ車となるBRGレガシィ用のエンジンパーツを用いて圧縮比を10.0程度まで下げることで、1.2kまで過給圧を上昇させ、400PS強の出力を実現している。
多数の86/BRZ勢が参戦するアタックであり、その中でも最速の称号を手に入れるために続けてきた車両製作であったが、シェイクダウンということもあり、ドライバーの佐々木選手とともにセッティングやウィークポイントを見極める走行に徹することとなった。
また、同時に改善点も多数見つかり、エンジン出力に対してリアのトラクションをさらに稼ぐようなセットアップや、旋回性能をより煮詰めることが要求された。
この日、最終的なベストタイムは1分3秒956という結果で終えるが、86/BRZクラスでの「最速」奪取と、59秒台樹立の目標を達成するため、プロジェクトメンバーはマシンメイクをさらに続けることとなった。